忙しい時期に「これ以上働くと手取りが減ってしまうので、シフトを減らしたい」と言われ、困った経験はありませんか。経営者様にとって、頼りにしているパート社員が働けなくなるのは、現場の維持に関わる大きな問題ですよね。
野村総合研究所が発表した最新の調査結果によると、既婚のパート女性のうち56.7%もの方が、今でも年収の壁を意識して働く時間を調整しています。国が制度を見直しても、依然として多くの方が社会保険料の負担による手取りの減少を恐れているのが現状です。
そこで今回は、年収の壁を乗り越える!中小企業が導入すべき支援制度と解説として、パート社員の不安を取り除き、貴重な戦力を守るための3つのポイントを分かりやすくお伝えします。
調査で判明!パート社員が働き方を抑える本当の理由
アンケートの結果から、現場で働く人たちがどのような不安を抱えているのかを見てみましょう。
1. 制度が変わっても拭えない「働き損」への不安
多くのパート社員が、働く時間を調整せざるを得ない状況にあります。
・就業調整の実態:半数以上の方が、年収を一定額以下に抑えるために働く時間を制限しています。
・意識の変化:昨年の調査と比較しても、壁を意識する人の割合に大きな変化は見られませんでした。
・収入増への消極姿勢:既婚パート女性の約半数が、収入を増やすことに慎重な考えを持っています。
税金のルールが一部引き上げられても、社会保険料が発生することへの心理的な壁は依然として高いようです。
年収の壁を解消し、働き続けてもらうための3つの対策
人手不足を解消するために、会社側ができる具体的な歩み寄りの方法をまとめました。
1. 正しい情報を伝えて「将来のメリット」を共有する
年収の壁の仕組みは非常に複雑で、多くの社員が正確に理解できていないケースが多いです。
壁を超えた場合にどれくらい社会保険料がかかり、その分将来の年金がどれくらい増えるのかを丁寧に説明しましょう。手取りの数字だけでなく、病気や怪我をした際の保障が手厚くなるメリットも伝えてあげることが大切です。当事務所でも、社員様向けのシミュレーション作成をサポートし、安心感に繋げています。
2. 社会保険適用促進手当を導入する
国は、壁を意識せずに働けるように「年収の壁・支援強化パッケージ」を用意しています。
特におすすめなのが、社会保険に加入することで減ってしまう手取り分を補う「社会保険適用促進手当」です。この手当は、一定の範囲内であれば社会保険料の計算から除外できるという特別なルールがあります。会社としてもコストを抑えつつ、社員の手取りを維持できるため、導入を検討する価値が十分にあります。
3. 意欲のある若手層のシフトを柔軟に活用する
調査結果によると、学生アルバイトの77.6%が「収入を増やしたい」という高い意欲を持っています。
もしパート社員の時間を増やすのが難しい場合は、意欲のある学生層に責任ある仕事を任せてみてはいかがでしょうか。単なる補助業務だけでなく、現場のリーダー的な役割を担ってもらうことで、彼らの成長にも繋がり、職場の活気が生まれます。働き手の層を分けることで、安定したシフト管理が可能になります。
まとめ:制度への理解を深めて強いチーム作りを
年収の壁を乗り越える!中小企業が導入すべき支援制度と解説から分かる通り、多くのパート社員が目に見えない壁に悩んでいます。経営者様がその不安に寄り添い、適切な情報や手当を提供することが、離職を防ぎ、戦力を最大化する鍵となります。
「壁」を乗り越え、誰もが全力で活躍できる職場を一緒に作っていきませんか。
当事務所では、年収の壁対策としての賃金設計や、各種賃金に関するアドバイスを行っています。社員にどう説明すればいいか分からないとお悩みの経営者様は、ぜひ私たちにご相談ください。貴社の状況に合わせ、社員も会社も納得できる最適な解決策を共に考え、全力でサポートいたします。
参考資料:
野村総合研究所「『年収の壁』に関するアンケート調査結果(2025年12月9日発表)」
この記事を書いた人

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大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役
社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ
関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。
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