労働生産性の国際比較から学ぶ中小企業の稼ぐ力と評価制度

「毎日これほど忙しく働いているのに、なぜか利益が残らない」と感じることはありませんか。一生懸命に働くことは日本人の素晴らしい美徳ですが、今の時代は頑張り方そのものを見直す時期に来ているのかもしれません。

日本生産性本部が発表した最新の調査によると、日本の労働生産性は先進国の中で依然として低い順位にとどまっています。特に1時間あたりに生み出す価値は、先進7カ国の中で最も低い状況が続いています。

人手不足で一人ひとりの負担が増える今、今までと同じやり方を続けていては現場が疲弊してしまいます。そこで今回は、労働生産性の国際比較から学ぶ中小企業の稼ぐ力と評価制度として、限られた人数でもしっかり利益を出せる強い会社を作るための3つの方法を分かりやすく解説します。

日本の生産性は低い?最新の調査結果から見える現実

そもそも労働生産性とは、1時間あるいは1人あたりで、どれだけ効率よく利益(付加価値)を生み出したかを示す指標です。

1. 先進国の中での立ち位置

日本の現在の状況を数字で見てみましょう。

・時間当たりの生産性:OECD加盟38カ国中28位となっており、厳しい順位です。

・1人当たりの生産性:主要先進7カ国の中では、残念ながら最も低い水準です。

・上昇率のマイナス:人手不足で働く人は増えましたが、1人が生む価値が追いつかず、効率が下がっています。

この結果は、決して日本人が怠けているわけではありません。むしろ付加価値の低い仕事に時間をかけすぎている可能性を示唆しています。

中小企業の生産性を高めて稼ぐ力を育てる3つの方法

少ない人数でも効率よく利益を出し、社員の給料も上げていける仕組み作りを考えてみましょう。

1. 業務の無駄を削り「仕組み」で解決する

まずは、現場に隠れている当たり前だと思っている無駄を見つけ出すことから始めます。

手書きの伝票や紙の管理をITツールに置き換えるだけで、事務時間は大幅に減ります。また、その会議は本当に必要か、チャットなどで共有できないかを検討することも大切です。特定の担当者しか分からない仕事をなくし、誰でも動ける仕組みを作ることで、業務の滞りを防ぐことができます。

2. 単価の見直しと「選ばれる理由」を作る

生産性を上げるには、分母である時間を減らすだけでなく、分子である利益を増やすことも重要です。

原材料や人件費が上がっている今こそ、適正な価格交渉を行う勇気が求められます。他社にはない強みやサービスを磨き、安さではなく質で選んでもらえる工夫をしましょう。利益の出にくい無理な受注を減らし、自社の強みを活かせる仕事に集中することが稼ぐ力に直結します。

3. 頑張りを可視化する「評価制度」を整える

結局のところ、生産性を生み出すのは人です。

社員が効率化を自分事として捉えるためには、頑張りがしっかりと給与や賞与に反映される評価制度が欠かせません。ただ長く働く人を評価するのではなく、短時間で成果を出した人を評価する仕組みへ転換しましょう。会社が個人のスキルアップを応援し、成長を正当に評価することで、一人ひとりの生産性は自然と上がっていきます。

まとめ:効率化は社員の幸せと会社の成長のために

労働生産性の国際比較から学ぶ中小企業の稼ぐ力と評価制度が示す通り、日本が抱える課題は深刻です。しかし、中小企業だからこそ、経営者様の決断一つでスピーディーに変化を起こせる強みがあります。

無理な頑張りに頼るのではなく、賢く稼ぐ仕組みを一緒に作っていきませんか。

当事務所では、生産性向上を目的とした評価制度の見直しなどを専門的にサポートしています。現場の負担を減らしつつ利益を伸ばしたいとお考えの経営者様は、ぜひ私たちにご相談ください。貴社の未来に寄り添い、共に歩んでまいります。

 

参考資料:

日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025(2025年12月22日発表)」

 

この記事を書いた人

大野輝雄
大野輝雄
大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。
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